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退職金1ー分与対象財産となる理由

退職金は賃金の後払いであるという性格から、既に支給されている場合は、基準時(別居時・離婚時等夫婦の協力扶助が終わった時点)に存在すれば、財産分与対象となります。

将来に支給される退職金については、不確定姓・不確実性の問題がありますが、支給される蓋然性が高い場合は、財産分与の対象となります。

退職金は賃金の後払い

退職金・退職手当の大半は、労働の事後的対価、賃金の後払いであると解釈されることから、分与財対象財産となります。給与及び給与が原資となっている資産が共有財産となるのと同一の考え方です。既に退職金が支給されている場合は、基準時(別居時又は離婚時等夫婦の協力扶助が終わった時点)に存在すれば、財産分与対象となります。退職金を原資に不動産等を購入した場合は、退職金が形式を変えて残存しているので、不動産等が分与対象財産となるのは当然です。

会社役員の退職慰労金についても、委任契約(雇用契約ではなく)に基づく委任事務の処理に対する報酬であるので、財産分与対象となります。

早期退職による割増加算金や整理解雇による退職金増額部分も、基準時以前の支給であれば、財産分与対象となるようです。

退職後の生活保障のための給付については、労働の対価ではないと評価されて、分与対象とされなかった裁判例もあります。(東京家八王子支審平11.5.28家裁月報51-11-109)

  1. 夫YはA会社の代表取締役であったが、A会社はB会社に吸収合併され、YはB会社の部長待遇となった。
  2. A会社は夫Yの従前の収入を維持する目的で、部長待遇の給与に上乗せして毎月一定額の補填をしていた。
  3. 協議離婚後に、B会社がC会社に吸収合併され、給与の補填がなくなることから、C会社は、向こう2年の給与の補填として900万強を振込み、この振込金が財産分与対象となるかが元妻XとYの間で争われた。
  4. 審判は、Yが900万強を取得したのは、離婚後1年を経過した時点で、離婚時にはその支給は決定されていず、支給の趣旨は、勤務先の合併に伴いYの向こう2年間の生活保障を行うことであるから、財産分与の対象となる退職金あるいは功労金に該当しないとした。

将来の退職金支給の蓋然性

退職金支給の蓋然性が高ければ、不確定姓・不確実性のある将来の退職金も財産分与対象となります。蓋然性の程度は、勤務先の性質や支給規定の有無等を考慮して判断されます。

  1. 就業規則に退職金の支給規程があれば、精算的財産分与の対象となります。
  2. 勤務する会社の倒産など将来の退職金の不確定性ついては、不確定要素の蓋然性が高い場合を除き、考慮する必要はないと考えるのが最近の裁判実務のようです。
  3. 懲戒解雇のように本人の責任によるものは、基準時以降に自らの責任よって退職金の権利を喪失したものであるから考慮する必要はないとの説があります。

参照資料:①「離婚に伴う財産分与ー裁判官の視点に見る分与の実務ー」松本哲泓著(新日本法規出版、2019年8月)②「精算的財産分与に関する実務上の諸問題」山本拓(家裁月報62-3-1)

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