熟年離婚や財産分与、家の処分などでお困りではありませんか
元調停委員・行政書士夫婦が離婚問題の解決をお手伝いします。

熟年離婚ー退職金、家処分等の財産分与、年金分割が争点で、相続も解説

熟年離婚は、離婚を求められる当事者が晴天の霹靂と感じる場合も多く、時間がかかるのが通常です。離婚の合意取り付けが困難な場合も多い上に、経済問題である財産分与において「住居の処分」や「定年退職金」などが争点となり、複雑で解決しにくい問題になりがちです。財産分与と相続の違いもよく理解して下さい。年金支給年令も近いので、年金分割の意味もよく理解して、年金分割と遺族年金の差異を知ることも重要です。

離婚コンサルティングは、離婚の準備や離婚条件の策定に始まり、離婚の成立及び財産分与や年金分割など離婚条件の最終的実行までの一連の手続と書面作成をパッケージで指導助言する当事務所の受託業務です。特に、家・住居の処分など複雑で多方面の検討調査が必要な熟年離婚のサポートに注力しています。

1.熟年離婚の特徴

離婚を請求される当事者は予想していなかった事態と受け止めることも多く、双方の精神的葛藤も深いので、離婚の同意取り付けに時間がかかるのが通常です。

1.1青天の霹靂

妻が夫に離婚を求める場合が多いようですが、大半の夫が晴天の霹靂です。
夫が申し立てる場合は、不倫が原因で、長期の別居をしている場合が多いでしょう。

「俺は家族の生活を守るために一生懸命働いてきたのに何故だ!」と激しく怒る夫が多く、妻は妻で、「夫から永年無視され続けた。」「子どもが成人するまで我慢してきた。」「暴力やモラハラが酷い。」と訴える場合が多いようです。

1.2離婚の同意取付けが困難

離婚を申し込まれた側は、心の準備ができていないことや意地もあって、簡単に離婚に同意できない場合が多いようです。

一方、離婚を求める側は、永年研究し考えてきたことなので、なかなか離婚を撤回しません。離婚に同意したとしても、夫の退職も間近で、双方共、離婚後の生活費の事を考え、財産分与における妥協が困難になり泥沼化する場合も見られます。

双方の離婚意思がすれ違っている上に、中心となる財産分与問題の複雑さもあり、協議が長期化する事が多いと思います。

夫が不倫など有責な場合、世間体への配慮から、離婚訴訟を避ける為、格段の離婚給付をする場合も見られます。

2.財産分与と熟年離婚

専業主婦の場合は、熟年になるほど就業機会が限られること、共働世帯であっても残された就業年数が少ないこから、年金分割を含む財産分与など経済問題が主な争点です。特に持家世帯が多く、婚姻住居にそのまま継続居住を望む当事者も少ないことから家の処分の問題も焦点になります。

2.1財産分与の原則

まず、第一に、登記簿上の所有者名義や契約上の名義は、離婚時の財産分与の対象となる共有財産かどうかの判定には全く関係ないことをよく理解して下さい。

基本的に夫婦各自の職業収入で形成された財産が共有財産で、相続や婚姻前の預貯金等で形成された財産が財産分与の対象とならない特有財産です。
財産分与ページの下記リンクをよく勉強して下さい。

2.2住居の処分が焦点

年齢的に持ち家比率が高く、ローンも完済している場合が多いので、双方共、自分が永年住み慣れた家をとりたいと譲らないケースも多いようです。取得する者で合意できても、他方への代償金の額や精算方法等を巡って対立しがちです。本HP中の「離婚と住居」ページの「6.財産分与と婚姻住居の確保」を参照して下さい。下記がリンクです。

家の購入時に頭金を実家が贈与したとか、相続で得た資金で住宅ローンを繰上返済した場合など、共有財産と特有財産が混じりっている状態を、どう切り分けて精算するかで議論がまとまらないケースが多いようです。
尚、結婚初期の住宅購入等に関して、親が頭金を出した等の証拠資料も少なく、主張を裏付ける資料が少なく揉める場合もあります。
「離婚と住居」ページの「2.特有財産(頭金)と共有財産(住宅ローン)で購入した住居の評価」の部分を熟読して参照して下さい。理解しやすいように例題もついています。下記がリンクです。

2.3定年退職金も焦点

夫の定年も近いので、定年退職金をめぐって財産分与額の計算方法や支払方法をめぐり対立し勝ちになるようです。財産分与ページの下記リンク「9.4」を参照して考え方を理解して下さい。

2.4財産分与と遺産相続

離婚時の財産分与は、名義は関係なく「共有財産」 のみが対象ですが、遺産相続は、特有財産も含めて夫名義(名義で相続対象か決定)の財産すべてが対象です。一般的には、遺産相続の方が、財産分与より、額が大きい場合が多いでしょう。

妻が夫から離れたい場合、財産分与の対象とはならない夫の特有財産(夫の相続での取得等)がかなりある場合は、離婚はせずに別居だけして、 実質的に遺産相続をあてにするケースもあるようです。

ただし、人間の命の先後は誰にも解らないので、どうなるか神のみぞ知る領域です。「年金分割と遺族年金」の問題に類似しますが、やはりご本人が自ら自分の考え方や生き方から検討して決定するより方法がないと思います。

有責の夫からの離婚請求の場合は、妻の遺留分(遺産総額の1/4)を目途にして、財産分与額とすることも考えられるでしょう。慰謝料額は当然に外数になるでしょう。

3.年金分割と熟年離婚

熟年離婚を検討している方にとって、年金分割は、財産分与と並んで、事前に調査すべき重要なポイントです。

3.1年金額は夫婦世帯の生計費前提

年金額は、夫婦二人が一緒に住む前提での生活費を基本に設計されています。離婚後の二世帯に50%づつ分割すると、通常は、一人一人の生活には十分ではなくなるようです。従い、年金も1/2、財産分与も1/2とする事に、難色を示す当事者も多いようです。

3.2女性は年金支給開始の年齢が早い

老齢厚生年金は65才からの支給になっていますが、支給開始年令を60才から65才に遅らせた時の経過措置として、定額部分(基礎年金に相当)と報酬比例部分に分けて、一定の生年生まれの方に特別支給の老齢厚生年金が給付されます。特に、女性は男性より5才早く特別支給の厚生年金が支給されるので、昭和41年4月1日以前生まれの女性は65才以前に特別支給があります。

離婚して年金分割すれば、「自分の名前」で特別支給の老齢厚生年金を受けられます。年金分割ページの下記リンクを参照して下さい。

3.3年金分割後の支給予想額は情報通知書で

情報通知書を年金事務所から取り寄せて、年金分割後の支給予定額を調べることは、離婚すべきかどうかの判断に有効でしょう。情報通知書の詳細は、年金分割ページの下記リンクを厚生年金を基礎から勉強したい方は、年金分割ページの最初からお読み下さい。

3.4合意分割と3号分割

専業主婦は主として「3号分割」で共働き主婦は「合意分割」ですが、専業主婦でも2008年3月31日以前に婚姻していた場合、合意分割が必要になります。
年金分割ページの下記リンクを熟読して下さい。

3.5年金分割と遺族年金

婚姻を継続する時の「遺族年金」(本人の3/4給付)と離婚する時の「年金分割・のメリット・デメリットを比較考量することも大切でしょう。年金分割ページの「6.2」を参照して下さい。

3.6年金分割は、年金事務所で実行

年金分割の手続は、年金事務所でしか終了しないこと、家庭裁判所や公証役場で行う手続は、合意分割の「合意の公証」という年金分割の一部の事務を担当しているに過ぎないことを肝に命じて下さい。年金分割ページの下記リンクを参照して熟読して下さい。

3.7企業年金・個人年金

いわゆる年金分割は、「公的年金」である厚生年金・共済年金のみが分割対象ですが、企業年金・個人年金も、財産分与の一貫としての分与・分割対象です。
企業年金・個人年金の分与・分割に関する問題については、年金分割ページの下記リンクを参照して下さい。

4.離婚コンサルティング

離婚コンサルティングは、離婚の準備や離婚条件の策定から離婚の成立、離婚給付等契約の各条項の実現まで一連の手続をパッケージで指導助言する当事務所でお引受けしている業務です。10年の調停委員経験をもつ行政書士及び8年の調停委員経験と心理カウンセラー資格をもつ妻でもある女性所員の二名がワンチームで担当します。

「離婚したい」という思いはとても大切です。同時に、住宅の処分を含む財産分与、年金分割や養育費など経済的離婚条件を中心に、子どもの心の問題や福祉制度等についても冷静に調べることも重要です。 衝動的離婚ではなく、「4.3離婚意思を固めるステップ」や「4.4離婚条件の検討」で例示したステップを踏みながら、時には引き返すことも躊躇わず、歩きながらご依頼者に決断していただくのが離婚コンサルティングの目的です

4.1業務内容

親権、養育費・面会交流、財産目録作成・家の処理・債務の処理など財産分与や年金分割その他詳細な離婚条件について作戦を策定し、相手方へ提示する条件書面を代理作成すると共に、相手の説得方法や条件の再提示等についてコーチして、離婚条件がスムーズに合意されるように導きます。その後、離婚給付等契約を代理作成して双方が締結後に協議離婚を成立させて、財産分与条項の実現や年金分割の実行などまで、パッケージで指導助言いたします。

報酬額は、案件毎に難易度等に応じてお見積もりしますが、着手金、最終金、成功報酬から構成されます。

4.2離婚コンサルティングの重要性

離婚給付等契約公正証書を単に締結するだけでは、離婚の成立と離婚条件の実現は保証されません。その後の協議離婚届の提出と金銭給付等の実行、登記委任状などの手渡し等のタイミングなり手段・仕組みを詳細に設計する事が必須です。

下記のような例が実際におきています。何れも、民事訴訟を起こせば解決できると考えるかも知れませんが、かかる時間、弁護士費用、精神的疲労は莫大なものとなり、損失は測り得ないものになります。訴訟を起こさずに約束が確実に履行される予防法学的仕組みを提案・構築するのがプロである弊事務所の特徴です。

  • 離婚給付等契約公正証書で元夫が家の財産分与を約束したが、離婚届を提出後に元夫が登記委任状を妻に渡さないので、登記ができない。(登記委任状を離婚届の提出と同時に元妻に手交されるような仕組みの設計が必要)
  • 離婚協議書で元夫が財産分与として元妻に2000万の振込を約した。離婚届提出後に元夫は、振込を実行しない。(離婚届と現金・預金小切手との現物交換による支払の仕組や2000万振込の何らかの担保措置が必要。)
  • 離婚協議書で元妻に1000万の慰謝料支払を約束した。協議書締結と同時に1000万円の預金小切手と元妻が署名捺印したの離婚届を交換した。その後、役所に離婚届を提出したが、元妻が離婚届の不受理届を出していたので、離婚届が受理されず離婚できない。(離婚届の提出方法・順序等に工夫が必要)

4.3 離婚意思を固めるステップ

夫の借金が妻に及ばないように離婚?

夫の借金が離婚原因になるかという問題は、次の項目を参照して下さい。
日常家事債務を除き、法的に夫名義の借金を妻に請求されることはないので、借金逃れを理由に離婚する理由はありません。

夫が事業で借りれた借金は、妻が保証していない限り、夫の会社に取り立てが向かうだけです。夫が会社に個人保証している場合は、夫の会社と夫自身に取り立てが向かいます。 妻が保証している場合は、例え離婚後であろうとも、金融機関から妻にも取り立てが来ます。ただし、金融機関は、通常は、妻に事業ー特に会社の保証を求めるのはマレだと思います。

例外は、日常家事債務です。民法761条で、一方の名義で契約したものでも、夫婦の連帯債務とされます。 例えば、電気代等の公共料金は、夫名義で契約していても、夫婦の連帯債務です。しかし、宝石や高価な時計・衣服等をローンや月賦で購入した場合は、 日常家事債務にはならず、契約当事者以外に取り立て来ません。(微妙な問題もありますが—)仮に離婚したとしても、日常家事債務は婚姻中に発生していて、最早それから免れられないので、離婚は全く無意味なことになります。

夫の借金が離婚原因になるか

度重なる借金をして浪費癖があるなどの事情がある場合は、民法770条1項5号の裁判上の離婚原因 「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる場合が多いと思いますが、借金をした事情や態様次第でしょう。

離婚調停の手続では、裁判上の離婚原因は無関係ですが、調停委員は、養育費や財産分与で揉めると予想しながら、多分、離婚の方向で調整するように思います。

債務の処理

債務も共有財産の額の範囲内で財産分与の対象になります。住宅ローンや教育費ローンは日常家事債務なので、財産分与の時にローン債務合計額がプラスの財産から控除された額が、財産分与対象となります。 債務額の方がプラスの財産より大きいオーバーローンの時は、マイナスの財産分与はありません。本web内の下記リンクを参照して下さい。

復縁の可能性

気にさわる生活習慣を改めたり、不倫関係を清算するなど結婚継続の新たな約束事を 「婚姻継続の合意書」や、 不倫相手との関係清算や慰謝料等について定める「示談書」 にまとめること等で問題が解決するかを検討調査する。「不倫の示談書」については、不倫と示談書・財産分与ページの「1.不倫の精算:示談交渉と示談書」を参照して下さい。

別居で離婚を先延ばしできるか

別居という冷却・緩衝期間を置いて、離婚を先延ばしできるのであれば、別居の生活費(=婚姻費用)や子供との面会交流の条件等について 「別居の合意書」にまとめます。別居・婚姻費用ページの下記リンクを参照して下さい。

子の思い

子が、両親の離婚についてどう考えるか、離婚が子の心にどう影響するか考える事は、重要です。 大人同士の直線的な人間関係だけでなく、母・父・子供の三角形の人間関係にも十分に留意すべきです。子供向けの離婚のガイダンス本を読むことも参考になるでしょう。

離婚後の生活設計についての準備

  • 資格取得も含む就活準備(パート先へのフルタイム化打診も)をやるべきでしょう。児童扶養手当や東京都の児童育成手当など片親家庭に対する公的扶助や市区町村の就学援助等 福祉制度の調査して下さい。(市区町村の子ども支援課等が窓口)
  • 公営住宅への優先入居の可能性調査(通常は、所得額に応じて、片親家庭の優先入居制度あり。)の調査も大切です。
  • 国保等の健康保険料の調査も必須です。離婚後でも、子どもだけは元夫の健保の扶養家族のままにして、 母の国保の保険料負担を軽くする選択肢もあるでしょう。知らない人が多いですが、元夫の健保保険料負担額が増加しません。これらの予測から、必要な養育費額の逆算することもできるでしょう

4.4 離婚条件交渉のための調査

相手の年収の把握

源泉徴収票、確定申告書、給与明細等のコピーを取得して、算定書上の養育費額を把握する。

相手方名義の財産目録作成

「相手方名義の不動産登記情報(登記簿謄本等)」「相手方名義の預金通帳」「相手方名義の学資保険・生命保険等」を調査して、財産分与額の試算をするべきです。当事務所には、エクセルで作成する財産目録作成のフォーマットを準備しています。

他の離婚条件

親権者指定、面会交流、財産分与、年金分割、慰謝料など。

離婚手続の調査

協議離婚、調停離婚、裁判離婚 詳しくは、離婚手続と離婚調停ページの下記リンクを参照して下さい。

離婚給付等契約公正証書(離婚協議書)の作成準備

養育費・財産分与などの離婚条件の約束を口約束に終わらせない為に、離婚協議書の書面での作成準備。公正証書にする場合は、通常、離婚給付等契約公正証書と呼ばれます。

離婚後の姓・名字

子どもの学校でのイジメ問題も考慮の上で、自分の姓と子どもの姓をどうするか、検討する。親権者だからと言って、子供の姓が、母と同じ姓にはなりません。離婚後の戸籍と氏・姓ページの下記リンクを参照して下さい。

離婚調停の事前調査

離婚調停の心構え・準備資料、調停の申立方法、実際の離婚調停がどう行われるか等についは、 離婚手続と離婚調停ページの下記リンク「2.」を参照して下さい。

電話・メールでのご相談

ご相談は面談が原則です。電話・メールで、ご相談内容と面談希望日をお伝え下さい。
すみませんが、無料相談は受け付けておりません。

メールは24時間受付ですが、返信に最大2営業日ほど頂く場合もございます。

    お問合せ事項 (複数可)

    事務所運営の指針

    ●行政書士と女性カウンセラーのチームで事務所を運営しています。共に家庭裁判所の家事調停委員として、離婚、相続など家族問題に関する調停の実務に永らく従事しました。

    ●行政書士は、行政書士法上、秘密を漏らすと刑事罰が課せられるなど、顧客の秘密を守る強い守秘義務があります。秘密厳守のことはご安心下さい。

    ●お仕事を休まずに相談できるように、予約していただければ、土日祝日も面談に対応します。

    ●離婚や相続などの家族問題は、一つ一つが独自の内容をもっていて、一律には扱えない事を経験から熟知しています。

    ●特に、離婚は、感情的混乱の渦中にあることから、問題を筋道立てて話すことが、とても難しいのが通常です。 ご本人の怒りや悲しみの感情を和らげながら、問題を整理していきますので、準備など必要ありませんのでご安心下さい。ご本人が自分の問題を理解し自ら納得するような相談を心がけています。

    ●法的問題、心の悩み、家族間の葛藤、子どもの心理や考え方、経済的自立、公的扶助など福祉制度等も含めた幅広い視野に立った解説と助言をいたします。

    ●女性カウンセラーは、行政書士法上の「事務所補助者」として東京都行政書士会に登録してあります。行政書士の指揮下にあって、行政書士法上の守秘義務を負っています。

    お願いとお断り
    • 申し訳ありませんが、電話及び面談での無料相談は受け付けておりません。
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