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3号分割だけの専業主婦でも、年金分割手続は必須。

相談者:サラリーマンの元夫と離婚した女性

平成20年(2008年)11月に結婚し、最近離婚しました。結婚前は仕事をもっていましたが、結婚前に寿退社しましたので、結婚中は、ずっと厚生年金の第3号被保険者でした。離婚前に、「年金分割のための情報通知書」をとると、私の標準報酬総額の欄には、結婚期間中の元夫の標準報酬総額の0.5の金額が記入されていました。既に分割済みなので、離婚後に年金事務所で何の手続もしなくてよいと考えたのですが、これでいいですか?

回答:家族問題専門行政書士

とんでもない誤解です。できるだけ早く、年金事務所に出向いて、3号分割の手続をとるべきです。国に対する年金分割の請求は、申請して始めて認められる権利で、いわゆる「申請主義」に基づいて年金分割制度が運用されています。
 3号分割は、元夫等の第1号改定者との合意は不要ですが、厳密に離婚後2年以内に、標準報酬改定請求書と必要資料を提出しないと3号分割は実行されません。情報通知書の数字は、按分割合の下限値を計算するために便宜的に記入されているもので、既に標準報酬総額が分割されている事を意味しません。

平成20年(2008年)3月以前に結婚した専業主婦等や結婚中に就業経験があり厚生年金の第2号被保険者であったことのある妻等の場合は、年金分割の一部が合意分割となるので、合意分割の実行のためには、年金分割の按分割合の合意を証する書面(公正証書や私署証書)が必要となります。
妻等の第2号改訂者の単独意思で年金分割できるのは、平成20年(2008年)4月以降の第3号被保険者であった期間の夫等の第1号改訂者の標準報酬総額のみです。

平成20年(2008年)3月以前も専業主婦であった者には、合意分割が必要です。年金分割制度が平成19年(2007年)4月に施行され、法律不遡及の原則からそういう扱いになっています。

市民が行政サービスを利用するには、自主的に官庁に「申請」するをのが大原則で、例えば、児童手当の受給要件に該当していたとしても「申請」をしなければ、自動的に受給を受けることはできません。言い換えれば、「申請主義」とは、市民が社会保障制度など行政サービスを利用する行政手続きにおいて、「私はこういう困りごとを抱えているのでこの制度を使える権利があるようだ。」と自ら情報を探しあて、本人が窓口に自ら足を運んで、「この権利を使いたいので申請します。」と申し出ることが前提条件であることを示す言葉です。

第2号改訂者が自ら年金事務所に出向いて、窓口に標準報酬改定請求書を必要資料と共に提出して、初めて3号分割を申請したことになり、厚生年金の3号分割が実施されます。

又、離婚後2年間の除斥期間(時効に類似)は、3号分割、合意分割双方に例外なく適用されます。3号分割には、時効がないと間違った事を書いてあるwebもあるようなので、気をつけて下さい。

3号分割請求に必要な書類

1~5は、合意分割でも必須な書類。(尚、合意分割には、公正証や審判書等の合意を証する資料を付加することが必要。)

  1. 年金手帳又は基礎年金番号通知書いずかのコピー(年金手帳は、基礎年金番号が記入されている頁部分のコピー)
  2. 元妻等第2号改定者が離婚を原因として除籍された元夫等第1号改訂者の戸籍謄本(=婚姻期間等を明らかにすることができる書類)
  3. 元妻等第2号改定者の住民票の写し、元夫等第1号改訂者が戸籍を異動している場合は、元夫等の新戸籍謄本か住民票の写し(=請求日前1カ月以内に交付された両当事者の生存を証明できる書類)
  4. 標準報酬改定請求書(請求日当日に年金事務所で書式を入手し、記入することでも可)
  5. 本人確認資料(運転免許証等)
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